Yamaashi語録  戻る

開きめくら

 ピクッ、ピクッ・・警戒心
 これを自白に取られて逮捕されたら偉い事です。
 昔々ある所で携帯電話をしながら車を運転していました。
ドキドキ! 30分以上もべらべら、くちゃくちゃ、電話を終わって、「んっ!此処は何処?」しばらく自分が居る場所が分かりませんでした。
 寝ていた訳ではありません。
信号もちゃんと確認し、歩行者にも気を配っていました。
運転行為に特に問題はありませんでした。
 ちゃんと起きていて周りを見ていたんです。
 「アッ!認識していなかったんだ。」
 そうなんです。人間は見る事の次に認識する事を行っているんです。
 その時から私は、電車の車窓から外の景色を見ながら、「この地方の部落は同じ大工が造っているんだ。」とか「植物体系が変わってきた。
かなり標高が高くなっているんだ。」とか、認識しながら旅を楽しんでいます。
 同じ時間を過ごす中に、認識するかしないかでは自分の中に積み上げる経験値に大きな違いがあります。
小さな子どもは車に乗っていて、「もうすぐここに着くよ。」とか「あそこに行くんだね。」、「もうすぐ家に着くね。」と地図も知らない癖にどんどん言い当てます。
 「なんで分かるんだろう?」と感心していて、ふと気が付きました。
 子供は、車に乗っている時、外の景色をただ見ているだけでなく、ポイントになる建築物や看板を認識していたんです。
そのポイントの組み合わせでまるで地図を見るように行き先が分かったのです。

 長い人生の中で、そのちょっとの差の経験値を積み重ねる毎に、大きな差になるのではないでしょうか。

 見える事と、見る事には大きな違いがあります。



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