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家造りは完成しない

 思いつきで色々な物を足し算します。その中で使い続けるものは一部です。使わなくなった物は引き算します。
足し算と引き算を繰り返す中で残り続けるものが本当に必要なものです。
 それは、生活している間中永遠に繰り替えされる行為です。
 足し算するときは、後で引き算できるようにほどほどに。
 思いつきで色々な物を足し算し、その後、足し算も引き算も出来ないような家を造って、あとは後悔しながら住み続けるのですか。

 家の話では分かりにくいかもしれませんから、たとえを変えます。
 家を人にたとえて、最初に裸の人がいます。
 裸のままではみっともないから、下着だけでも着ます。(洗面・トイレ・浴室・照明) せめて普段着位は着てください。
(キッチン・洗濯機・冷蔵庫・ダイニングテーブル・ベット・テレビ)
 もうちょっと、いいかっこうしたら。(玄関ポーチ・リビング・テレビ・ステレオ・・あなたも足してみてください)
 お出かけしますよ。
ちゃんとした格好して。(プランター・パーゴラ・駐車場・花壇・植栽)
 夏服に変えますよ。冬服に変えますよ。(ここから後はあなたが想像してください)
 最近帽子に凝っていて。サングラス・指輪・ネックレス・バッグ。
 外出着を着て、指輪とネックレスとサングラスをかけて、帽子をかぶって、バッグを持って、そのまんま着替えもせず一生過ごすんですか。

 家は人間に例えれば裸の姿です。
そこに、衣類や小物である機能やデザインを付加したり、変化させたりします。
構造躯体の中に設備計画をする事や、構造躯体を用いてデザインする事は、人間の体の中に配線や配管をする事は、

人間の頭に帽子を縫いつけるようなものです。

   


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