ここでは、私の体験をもとにした住空間の考え方を紹介します。
場所は名古屋市緑区鳴海町
名古屋の中心部を外れた、工場・倉庫・店舗・住宅が混在した所です。
その中の一角に、敷地100坪ほどに60坪の倉庫を借りました。
私の仕事は、6帖一間あればできる仕事です。
この様な大きな空間を取得した理由は、人が集まる場を作る事でした。
住み始めた最初のころは、大きな場所にテーブルとイス・持ってきたちいさな冷蔵庫だけでした。しかしそれでも、人がいっぱい集まってきて、渇き物のつまみとビールで楽しく過ごしました。
間もなく、中古の業務用流し台を買ってきて、厨房を作りました。
この段階で、ガスはまだありません。
仕事をするために事務所は不可欠です。
最優先で完成させました。
道具置き場と作業台を作りました。
これから、進化が加速する。
住空間が少しずつ変化をはじめます。
くつろぎの空間ができ始めています。
オーディオ設備も完成しました。
キッチンも進化しています。
ガスが使えるようになりました。
湯はまだ出ません。
冷蔵庫をもらいました。
シンボルツリーを釣り込みました。
樹木の伐採をしている人に頼んで、何本かの木をここに捨ててもらうようお願いしました。もちろんタダです
テーブルに囲炉裏を作りました。
このころ外ではミニガーデンが着工
伐採された丸太をゴロゴロ並べ、土を入れて木を植える
半日もあれば完成。費用は、ただに近い。
仕切りの空間作りが始まります。
入口を入った場所に、ついたてを作りました。
これによって、中でイスに座ったとき、外を歩く人と視線が切られます。
そのことによって、中にいる人はこもり感を持ち、くつろぐことができます。
更に、奥に進んでいくと,木が両端に立っていて頭の上には『WELCOME』の看板があります。
これは、意識的な仕切りで、ここをくぐった人は次の部屋に入った感覚を受けます。
更に奥に入り、階段を登った所に、壁による仕切りがあります。
ここは、寝室と浴室があります。
空調とプライベート空間を確保するために、壁で囲みました。
天井は斜めにし、屋根をイメージしました。
この事によって、その奥が見渡せ、壁によって人が感じる空間の広さを損なわない様考慮しました。
壁の手前には、人がギリギリ通れる60pの通路を設けその前に、手摺を設けました。
これによって、下のリビングに覆いかぶさる壁の圧力を緩和することができます。
奥に進むと、シンボルツリーとオーディオラックの隙間を通って、リビングルームに入ります。
ここでも人は、次の部屋に入った感覚を受けます。
これも意識の仕切りです。
リビングルームは、大勢の人がゆったりくつろげる空間を演出しています。
別の場所にはテントを張った部屋があります。
冬の寒い日に、リビングルームで過ごすことが困難になります。
この中には掘りごたつがあり、暖を取ることができます。
非常事態の避難場所ですから、広い空間を確保する必要はないと考え、空気を遮断する機能を持ったテントを選択しました。
プライベートルームに上がる階段の反対側にトイレがあります。
人が生活する空間の中で、最も使用頻度の高い場所です。
楽しくくつろげることが必要です。
更に進化は続く
ゲストルーム
子供が大きくなって、自分で部屋を作って占拠。
親は使用禁止
冷暖房・オーディオ・パソコン完備
行き着く所は屋根の上
住み方の変化
プライベートルームの中
ここで初めて靴を脱ぎます。
ゆったりしたベットと奥には洗面・浴室・物入があります。
くつろぎの空間には、軽い食事やお酒の飲めるテーブルがあります。
浴室の中
3帖の浴室にくつろげるよう椅子を置いています。
ノズルをスチームにして熱湯を出せば、ミストサウナになります。
何時間でも過ごせるよう考えてみました。
針葉樹合板をひき割って壁にしています。
ドアは、構造用床合板の15oを使用しています。
防水はホームセンターで売っている、198円のシリコン防水をヘラで塗り付けています。
床は、ツーバイフォーに使う210材です。
浴槽は、構造用床合板の15oを使用しています。
シャワーは、ホームセンターで売っている、散水用のものです。
この中で一番高いのは、混合水栓1万円です。
あとの材料は知れています。総工費3万円ほどです。
7年以上使用していますが、腐る様子は全くありません。
カビもほとんど発生しません。
シイタケ栽培には最高の場所
小物類
発砲スチロールのミニガーデン | ||
小物入れのシンク | ||
扉は現場のゴミ | 両面出し入れ | 天井収納 |
猛烈空き缶縦潰し | クーラーで巨大冷蔵庫 | |
上にも食材補給 | 100円の鋳物フライパン2個 | 邪魔で重たいから吊っておく |
持ちきれないから持ってきた | 膝で蹴上げてあける | バーベキューセット |
どこでもミニガーデン | ||
まっすぐ作る必要はない | ||
道具はいつも見える場所 | 道具はいつも見える場所 |
ゴミから生まれた椅子たち
住空間を手に入れたのは初期の空っぽの状態です。
そこで生活しながら、必要な物や欲しいものを、その都度作っていきました。
求める機能を持ったものを、必要最小限の材料を使って作りました。
購入しなければならないものは購入しますが、建築現場で余ったり、ミスした材料や新商品切り替えで破棄される建材など、自分が納得すればただで手に入る材料はいくらでもあります。
足場丸太をもらいましたが、相手にとってはお金を払って処分しなければならないゴミですが、私にとっては宝物です。お互いに得した気持ちになってただで取引できます。
購入するにしても、シャワーという商品を買えば1万円以上しますが、散水栓なら380円とかで買えます。
シャワーよりもいろんな出方をするし、手元で止められるし面白い。
ドアに付ける取っ手は、ドアノブという商品を買えば、1万円位楽にします。
左官の鏝やロープ・木の枝・フック・その辺のらしい金物など引っ張ったり押したりできるものは、その辺に転がっています。
一度造った物も、必要が無くなったり変更が必要になったら、その都度取り壊しやり替えます。
以外とその時は熱くなって造りますが、飽きてしまっていらなくなるものも多々あります。
建物の内部空間は、生活と共に常に変化し続けます。
組み立てる際の手段は全てビス止めです。
それによって、容易に取り壊すことができます。
私も入居前に空間の利用計画を作成しました。
それは、現状とは比較しようもない恥ずかしいものです。
生活をしない時点で住み方を考え、更に、住み方が変化しないかの様な強固な手段によって固めてしまった住宅は、一緒に住んでいた家族が自立してゆけば、LDKと一間だけを使い、後は物置。
30坪程度の住宅をフルに使っている家族と比べ、何と狭い住空間で生活していることでしょう。
『進化の形 家造りは完成しない』
思いつきで色々な物を足し算します。その中で使い続けるものは一部です。使わなくなった物は引き算します。足し算と引き算を繰り返す中で残り続けるものが本当に必要なものです。
それは、生活している間中永遠に繰り替えされる行為です。
足し算するときは、後で引き算できるようにほどほどに。
思いつきで色々な物を足し算し、その後足し算も引き算も出来ないような家を造って、後は後悔しながら住み続けるのですか。
家の話では分かりにくいかもしれませんから、たとえを変えてみましょう。
家を人にたとえて、最初に裸の人がいます。
裸のままではみっともないから、下着だけでも着ます。(洗面・トイレ・浴室・照明)
せめて普段着位は着てください。(キッチン・洗濯機・冷蔵庫・ダイニングテーブル・ベット・テレビ)
もうちょっと、いいかっこうしたら。(玄関ポーチ・収納スペース・リビング・・・・・あなたも足してみてください)
お出かけしますよ。ちゃんとした格好して。(ここから後はあなたが想像してください)
夏服に変えますよ。冬服に変えますよ。
最近帽子に凝っていて。
サングラスも持っていますよ。
指輪・ネックレス・バッグ。
外出着を着て、指輪とネックレスとサングラスをかけて、帽子をかぶって、バッグを持って、そのまんま着替えもできず一生過ごすんですか。
『結論』
人が住むための家とは、基礎・外壁・内部構造壁・屋根・窓・ドア・床・階段までです。
それが完成した後に、給排水・電気・空調工事ができる機能が必要です。
玄関ポーチやフロントデッキ等のデザインに類するものは、変化するもので家ではありません。(極論かもしれませんが、私はそれを外構工事に分類しています)
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